紛争解決(国際)

国際的な紛争案件について、どのように進めるのが最善かは、ケース・バイ・ケースの判断となりますが、取引継続を前提としており、直接話し合いができそうな場合であれば、まず直接交渉を検討することが多いです。一番早く、コストもかからないためです。

直接話し合うことが難しそうな場合であれば、第三者が関与する調停や仲裁を検討することになります。記事でも書いていますが、(仲裁合意があれば)仲裁を申し立てておいた上で、調停を試みるというのが、有力な紛争解決方法であると思います。

私自身、国際的な調停と仲裁のそれぞれにつき、複数の経験があります。調停が成立したものについては和解合意書どおりに履行され、仲裁の場合は仲裁人の判断に従って(強制執行まで至らずに)支払いを受けたり行ったりしていますので、紛争解決の実効性が高いと感じています。

費用

国内案件と同様の着手金・成功報酬方式を採用させて頂く場合もあれば、時間制(タイムチャージ制)にさせて頂く場合もあります。依頼者様のご希望や案件の性質に応じて協議の上で決めさせて頂いています。

時間制の場合のレートは大手法律事務所の半額程度を目安としています。

スポットでのご依頼の例

米国法人の日本代理店を務めていた日本法人様からのご依頼。顧客のセンシティブな情報を取り扱うサービスを提供していたが、サービス提供のために必要な顧客の情報を日本法人から米国法人に送ったところ紛失トラブルが発生。

日本法人の代表者と共に、何度も米国法人側と電話会議を行い、一定の補償金の受け取りに合意。同時に、日本では顧客に謝罪し、和解にて解決。

ポイント

米国法人の日本代理店を務めていた日本法人と米国法人との間のトラブルで、今後の取引継続を考えても、話し合いでの解決が望ましい状況でした。

同時に、日本法人としては日本の顧客対応を行う必要がありました。

このような場合、迅速に交渉することが何よりも大事です。日本法人の社長様に事務所にお越し頂いたり、私の方から出向いたりしながら、何度も一緒に電話会議に臨み、無事に話し合いで解決することができました。

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